国家資格キャリアコンサルタントなるものがあるのは、ご存知でしょうか?

 

国がキャリアコンサルティングを行う専門家を育成する目的で作った国家資格キャリアコンサルタントについて、実際に受験をした感想をお伝えしたいと思います。

あくまで、体験談としてお読みいただけると嬉しいです。

キャリアコンサルタント養成講座とは

国家資格のキャリアコンサルタントの受験資格を取得するためには、通常は厚生労働省が指定した教育機関でキャリアコンサルタント養成講座なるものを受けなければいけません。

 

期間としては、およそ3ヵ月。

1週間に1回、1日9時間拘束(休憩時間1時間を含む)をのべ10回ほど受講するのに加え、課題として毎回大量の提出物を出さなくてはいけません。課題の時間を含めると合計140時間ほどの講習時間になります。

 

会社員として働きながらですと、なかなかハードルが高い資格と言えるでしょう。

ただ、国家資格としては受験難易度が低いということもあって、かなりの受験者が受けています。

 

養成講座を受け持っている教育機関でも最大70%が返ってくる教育訓練給付制度(専門実践指定講座)ということもあって、熱心に営業をかけている資格とも言えます。

実際に、いくつかサイトを巡ってみると「今、最も求められている国家資格」などの記載が目立つように感じます。

資格を取れば就職できるは本当か?

資格のお話が出るとよくついてまわるのが、「その資格は食っていけるのか?」というお話なのではないでしょうか?

就職に有利?独立に有利?色々な疑問が湧いてきますよね。

 

さて、国家資格キャリアコンサルタントを取得すると、これらに有利なのでしょうか?

 

 

僕の感想は、あくまで現状はキャリアコンサルタントの資格を持っているからといって就職や独立に有利になることはない!です。

 

例えば、これからは企業の中でもキャリアコンサルティングをする人が必要、キャリアドッグの制度を整える人が必要だというお話がありますが、キャリアコンサルタントの資格を持った人が企業に雇われたり、外部として入ったりするのではなく、人事部の社員がキャリアコンサルタントの資格を取りにきます。

例えば、これからはキャリア教育が必要になるから教育機関からも求められるというお話がありますが、キャリアコンサルタントの資格を取った人が教育機関へ行くのではなく、教師をしている人がキャリアコンサルタントの資格を取りにきます。

 

現状では、外部の人がこのような企業や教育機関に入る余地は少ないと感じています。

国家資格キャリアコンサルタントは食っていけるのか?という問いに対しては、人による、現状それだけでは食っていけない資格と言えるでしょう。

国家資格キャリアコンサルタントの取得はあくまでスタート!

ここまで読んだ方は、「じゃあキャリアコンサルタントってなんのためにあるの?」と気になる方もいるかもしれません。

 

僕が考える限りは、国家資格キャリアコンサルタントはあくまで最低限学びを保証する資格だと思います。

ちなみに、養成講座の140時間ほどのうち、実際にキャリアコンサルティングの練習などをする時間はほとんどありません。

 

試しに、キャリアコンサルティングをやってみる時間はあっても、スキルを上げるような時間は準備されていません。

スキル的な要素は資格を取得した後に、ご自身で学んでいくということになります。

 

人の人生に関わっていく責任重大な仕事なので、一生学び続ける必要はある。国家資格キャリアコンサルタントはあくまでそのスタートに過ぎないということですね。

そこから本当のプロになるまでは切磋琢磨が必要なのだと感じています。

 

 

僕の周りで最近よく聞くようになった「キャリアコンサルタントのキャリア問題」という言葉。

この言葉が、国家資格キャリアコンサルタントの現実を反映しているように思えて仕方がありません。

 

キャリアコンサルタントは目的ではなく、手段だということを今一度肝に命じていきたいと思います。