カウンセリングは、カウンセラーとの対話によって自分の悩みや心理的な負担を解消させていくプロセスのことをいいます。

自分の心の奥にあるモヤモヤをカウンセラーに話してみることで、新しい気づきが見つかったり、心理的な負担が減ったりします。

 

こちらの記事では、カウンセリングの説明、受けられる場所、料金、内容についてご説明いたします。

カウンセリングを受けてみようと考えている人に読んでほしい記事です。

カウンセリングとは

カウンセリングとは、専門の知識や経験を持ったカウンセラーが対話を通して、相談者(クライエント)の悩みを解決していくサービスをいいます。

広義には、法律相談や化粧品の相談もカウンセリングに入ります。

 

狭義のカウンセリングは、主に心理カウンセリングのことをいい、絵や箱庭などの非言語ツールを用いた心理療法もあります。

どの心理療法を用いるとしても、言語を使用した対話・傾聴などがカウンセリングの根幹部分となってきます。

カウンセリングの目的

カウンセリングの目的は、カウンセラーが相談者(クライエント)に対してアドバイスを出すことだけではありません。

相談者(クライエント)の言葉に耳を傾け(傾聴)ありのままを認める(受容)ことで、相談者自身に新しい視点や気づきを促すことです。

カウンセラーの資格

カウンセラーの資格には国家資格から民間の資格まで多くのものが存在します。

  • 公認心理師(国家資格)
  • 臨床心理士(日本臨床心理士資格認定協会)
  • 産業カウンセラー(日本産業カウンセラー協会)
  • 日本カウンセリング学会認定カウンセラー
  • メンタルケアカウンセラー・(メンタルケア学術学会)

公認心理師は、平成29年に国家資格として新たに新設されたものです。

公認心理師と臨床心理士の違いは、公認心理師が国家資格なのに対して臨床心理士が民間資格だということ以外は、業務内容についてはほぼ一緒と言って良いでしょう。

 

カウンセリングの資格によって受けられるサービスが異なるかというと、そういう訳でもありません。

そのカウンセラーが得意としているカウンセリング手法によって、受けるサービスが異なると考えておきましょう。

カウンセリングの効果

カウンセリングを受けることによる効果・メリットを挙げていきましょう。

精神的にリラックスできる

カウンセリングの効果として1番最初に挙げることができるのは、精神的にリラックスできることでしょう。

カウンセラーに話してみることで、「話を聴いてもらえた」という気持ちが芽生え、言葉にして吐き出すことで「すっきりした」状態になります。

 

人は話を聴いてもらうことで、理解してもらえたと思えるようになり、安心感を得ることができます。

言葉にすることで問題を整理できる

相談者(クライエント)は自己の問題について、自分自身でもよくわかっていないモヤモヤとした状態になっていることが多いです。

カウンセラーを相手に言葉にしてみることで、問題は何なのか、気持ちはどうなのかを整理できるようになります。

 

また、話してみることで問題の程度にも気づくことができ、「案外、大きな問題でもないな」と思えることもあります。

自己肯定感が上がり、前向きになれる

カウンセラーとの対話によって、相談者(クライエント)はあらゆる自己を認めることができるようになります。

カウンセリングを行なっている間、カウンセラーは相談者(クライエント)の話に耳を傾け(傾聴)、どのような話も理解しよう(受容)と努めます。

 

結果として、相談者(クライエント)は自分の感情や気持ちを大事にすることができるようになります。

新しい視点や気づきを得ることができる

カウンセラーとの対話を通して、相談者(クライエント)は他人の視点や考え方を享受できるようになります。

自分ひとりで悩んでいたときには、見えていなかった新しい視点や考え方に触れることで、自分自身の価値を再確認できるようになるのです。

 

また、人間は一人一人考え方が違うことにも気づき、他人の行動にも穏やかな心で受け入れられるようになっていきます。

カウンセリングの欠点は?

カウンセリングを受けるとすべてがプラスに働くかというと、そういうわけでもありません。

逆に、カウンセリングを受けると苦しくなることもあるのです。

 

カウンセリングは、どうしても悩みの根本原因を深く掘り下げていくことになります。

そのため、悩みについて真剣に向き合わないといけなかったり、自分の弱さと向き合う必要性が出てきます。

 

常に良くなり続けるというより、波のように調子が良いときと悪いときを繰り返していくことで、徐々に良い状態に向かっていくものと考えておきましょう。

カウンセリングを受けられる場所

カウンセリングが受けられる場所は、医療機関から地域の施設、民間企業や個人のカウンセリングルームなど多岐に渡ります。

  • クリニックなど医療機関の心療内科や精神科
  • 地域の保健所・保健センターや精神保健福祉センター
  • 地域のハローワークや就職支援センター
  • 民間企業や団体、NPO法人が提供するカウンセリングサービス
  • 企業の医務室(産業医が駐在する場合に限る)
  • 個人が運営しているカウンセリングルーム

カウンセリングを受ける場所によって、内容が異なってきますので注意が必要です。

医療機関では薬物治療と並行してカウンセリング、ハローワークでは就職や仕事に関するカウンセリング、企業の医務室では職場内の人間関係に対してカウンセリングを行われるケースが多いです。

 

ご自分の悩みに応じて、カウンセリングを受ける場所を選択していきましょう。

最近、社会問題になっているうつ病について言えば、職場の人間関係が圧倒的に多いです。

こちらの場合は、企業の医務室か民間企業や個人が運営しているカウンセリングを受け、必要に応じて医療機関を紹介いただく方法をもっとも良い流れでしょう。

カウンセリングの形態

カウンセリングの形態には、1対1で受ける個人カウンセリングから5〜6人で受けるグループカウンセリングまで、多岐に渡ります。

現在では、テレビ電話を利用した遠隔でのカウンセリングを受けることも可能となっています。

  • 個人カウンセリング
  • グループカウンセリング
  • ネットカウンセリング(E-mail、スカイプなどのテレビ電話、SNSなど)

個人カウンセリングのみ提供していたりと、カウンセリングの形態は受ける場所によって様々です。

いきなり訪問するのではなく、事前にインターネットや電話でその場所が提供しているカウンセリングの形態を確認しておきましょう。

カウンセリングの料金

カウンセリングの料金はおよそ5,000円〜12,000円ぐらいの間です。

料金については、カウンセリングを受ける施設によって様々なので、あらかじめ問い合わせておきましょう。

 

保険が適用されるかどうかは、医療機関で行われるもののうち保険心療内で行われるカウンセリングかどうかによって決まってきます。

 

医療機関で受けるカウンセリングの種類として大きく2つに分けることができます。

  • 診察の一部として行われるカウンセリング→保険適用可
  • 医師による自由診療によるカウンセリング→保険適用不可

つまり、診察の一部として受けたカウンセリングのみ保険が適用されるということです。

 

医療機関の受診者にとっては、どこからどこまでが診察の一部なのか分からないと思いますので、電話などであらかじめ受診予定の医療機関に問い合わせることをオススメします。

 

医療機関以外で受けたカウンセリングはすべて保険適用外となりますので、ご注意ください。

カウンセリングの内容

カウンセリングは、基本的にはカウンセラーと相談者(クライエント)の対話を通して進められていきます。

本人の希望やカウンセラーの判断によっては家族など第三者が同席する場合もあります。

 

カウンセラーには、守秘義務というものがあるため、カウンセリングで話した内容はたとえ家族であっても話されることはありません。

悩みや心の苦しみについて、安心して話してみてください。

 

うまく話そうとしたり、まとめて話そうとする必要もありません。

カウンセラーはどんな話にも耳を傾け(傾聴)、ありのままを認める(受容)ことで対話を行なっていってくれます。

 

 

カウンセリングの頻度やその後の流れについては、相談者(クライエント)の症状や悩みの深さによって変わってきます。

うつ病やPTSD、社交不安障害、パニック障害には、認知行動療法が有効と考えられています。

一方、統合失調症には薬物療法をメインに行い、サポートとして心理社会療法を行なっていきます。

最後に

いかがでしたでしょうか?

カウンセリングは、自分の悩みについて言葉にしてみることで、新たな気づきや自己認識を得ることができます。

 

カウンセラーは、相談者(クライエント)が安心感を持って話せるように雰囲気や場を整えてくれているため、相談する時点ではっきりとした悩みがなくてもかまいません。

前向きになれない、楽しくない、気持ちが晴れない、モヤモヤしているなど、心理的に不安定な状態が続いている場合は、ぜひ気軽にカウンセリングを受けてみてください。

 

治療目的ではなくても、カウンセリングを受ける方はたくさんいます。

「こんな些細なことで相談しても良いんだろうか」と悩まず、カウンセリングを受講してみてくださいね。