夢を諦める

理想と現実に立ちはだかるあなたの夢

あなたには夢がありますか?

小説家になりたい、絵描きになりたい、漫画家になりたい、声優になりたい、ミュージシャンになりたい・・・。

そんな夢を追いかけている、または夢を諦めてしまった人に読んでいただきたいお話です。

これから就職を控えている人たちや、夢を追いかけながらアルバイト生活をしていたり、何らかの仕事をやりながら夢を追いかけている人たち、そんなみなさんの中には、現在、理想と現実のはざまで、これから先どうしたらいいか選択に迷っていませんか?

僕もその気持ちが非常によくわかります。僕自身もずっと夢を追いかけてきた一人だからです。

夢を追いかけ続ける覚悟、夢を諦める覚悟

現在僕は、1つの会社を経営しています。そして好きな仕事をしながら、こうしてキャリアに悩む方々のカウンセリングを行っています。

そんな僕の10代、20代のすべて音楽にささげてきました。そうです、ミュージシャンになりたかったのです。シンガーソングライターとして成功することをずっと夢見ていました。

スポーツ推薦を辞退

少し僕自身のことをお話したいと思います。

僕は幼い頃から歌うことが好きな子どもでした。しかし、中学生までは音楽とは程遠い生活をしていました。

中学生になり、勉強はそんなにできる方ではない代わりに、唯一恵まれていた運動神経を生かし、3年間バレーボールを続けました。部活動は、非常に厳しい環境でした。その分、強い学校でした。

中学3年生になり、そろそろ進路を決めるという時に、部活の顧問の先生から、特待生としてスポーツ推薦の話があると言われ呼び出されたのです。3年間やってきた成果だと喜ぶ反面、非常に悩みました。というのも僕には行きたい学校があったからです。

僕自身は既に、行きたい学校がありました。高校へ行ったら音楽をやろうと決めていたので、軽音楽部が有名な学校に行きたかったのです。

なぜ、迷ったかというと学費の問題です。うちの家庭は自営業をしていて、それほど裕福な家庭ではなかったのです。

スポーツ推薦は特待生の枠なので、3年間の学費が全額免除になるのです。家計にとっては一番良いことだとわかっていましたあが、やはりやりたいことには変えられませんでした。悩みに悩んだすえ、音楽を選びました。

これが僕の夢の始まりです。

諦めても諦めても引き戻そうとする夢

引き戻す夢

高校を卒業し、専門学校も音楽の方向に進みました。本格的に音楽の知識を学び、当時、最先端のコンピューターミュージックを学び、作曲、編曲を学びました。

しかし、専門学校には才能ある人たちがたくさんいて、現実を目の当たりにしてしますのです。そんな人たちに囲まれて自暴自棄になることも多々ありました。

時間がたつごとに、学校を辞める人や授業をサボる人が出てくるのです。

僕も自分の才能のなさに気がつき、周りの友達に混ざってる授業をサボったりすることが増えてしまいした。もう、学校を卒業したら、音楽は諦めようとしていました。

仲間から外れても続ける選択

仲間から外れても続ける

そんなある時、罪悪感にさいなまれ、周りがサボっていても自分だけは授業に出ようと思い出したんです。

罪悪感というのは、前述した通りそれほど裕福な家庭ではなかったため、高校卒業したら働くつもりでいましたが、祖母が学費は出すから好きな学校に行きなさいと専門学校に行かせてくれたのです。その祖母に対する罪悪感です。

周りに流されず、一人でも授業に出たことが、僕自身の大きな変換点だったことは、そのことには、後で気づかされました。

だんだんと卒業が近ずく中で、もう音楽は諦めると考えていながら、正直まじめに就職活動はしませんでした。キャリアカウンセラーにも相談しましたが、なんだか全てがしっくりきませんでした。

そんな日々が続いていたある日、なんと転機がやってきたのです。僕らの学科には、卒業前に大きなコンテストがありました。

そのコンテストで自分の曲が入選したのです。今まで全く目立たなかった僕が、数千人はいるホールで歌う機会が与えられたのです。優秀賞には選ばれませんでしたが、あれだけの大きなホールで歌った感覚は一生忘れられないでしょう。

その後も、あの舞台の経験が忘れられませんでした。もう音楽は諦めると決めていましたが、もう一度あの舞台に上がりたい、あの感覚を味わいたいという気持ちが強くなったのです。

音楽は簡単には辞めさせてくれなかったのです。もう迷わず就職活動を辞めてしまったのです。

就職したくない言い訳としての夢

就職したくない言い訳としての夢

専門学校卒業後は就職しないことを決めて、アルバイトをしながら音楽活動を続けていました。

しかし1年こんな生活をしているとある思いが込み上げてきました。

このまま音楽活動をしていても、全く成長しないし、目が出る兆しも一向に見えてこない・・・。

就職したくない理由を音楽という夢で言い訳にしているのじゃないのか・・・

覚悟を決めて挑戦する

そんな思いが日に日に強くなり、もう音楽をやっていてもしょうがないんじゃないかと感じていたのです。

その時にふと昔言われた「おまえは留学しろ!」という言葉を思い出しました。なんでアメリカなのかは長くなるので別の機会にお話ししましょう。

そして、勝負に出ようと思ったのです。ニューヨークに行こう!それで何もできなかったら、もう音楽をやめて就職しようと決めたのです。

もちろん英語なんかしゃべれないし、海外旅行だって行ったことありませんでした。人生の中でも非常に大きな決断をしたと今でも思います。

最終的にニューヨークには3年住むことになり、結論だけ言うと、どうにかなってしまったのです。

日本に帰ってきてからもインディーズレーベルからCDも出し、音楽は続けました。

追いかけるのをやめて見えてきたもの

追いかけるのをやめて見えてきたもの

ここまで読むと、ただの成功ストーリーのように聞こえますが、僕はニューヨークでの3年間で夢を諦めたのです。

そして自分の本心に気がついたのです。

ある日、自宅に帰る真夜中の駅での出来事でした。一人の黒人のおじいさんがホームで歌っていました。訛りのつよりブルースをギターを弾きながら歌っていました。

さっぱり言葉はわかりませんでしたが、立ち止まって聴き入ってしまったのです。そのうちに何か熱いものが込み上げてきて、急に涙があふれ出てきたのです。

歌詞の意味はわかりません。そんなことはどうでもいいくらい彼の歌には魂がこもっていたのです。

その時に気がついたのです。

自分がなりたいと思っていたのはミュージシャンではなくて「有名人」だったのだと。

でも、本当のミュージシャンは、ギター1本、自分の声さえあれば、どこにいようがミュージシャンなんだと。

彼は有名人ではありません。テレビにも出ませんし、CDも出していません。iTunesでも聞けません。

それでも彼の音楽に心を奪われてしまうのです。かつて人生の中でこんな経験をしたことはありませんでした。

彼は本物のミュージシャンなのだと感じたのです。

「有名になれなきゃ、売れなきゃミュージシャンはではない!」と思い込んでいた自分自身に気がつき、それが崩れ落ちた瞬間、非常に楽になったのです。

自分の中にあった意地や固定概念から解放された気分でした。

この日、僕は有名人になるためのミュージシャンを辞めました。

夢がある人は輝いている

夢がある人は輝いている

僕からお伝えしたいのは、夢を追い続けている人は、輝いています!夢を諦める必要はありません。

ただそこに行動が伴わないのであれば、あなたは夢を言い訳にしています。

夢は見ているだけでは誰も叶えてくれません。行動が伴って初めて道を示してくれるのです。

夢に敗れて初めて見えてくるものもあります。どちらにせよ、あなたの人生はあなたしか決められないのです。

だらだら夢を追いかけるのであれば、今すぐ人生を変えるほどの大きな挑戦をしてください。その挑戦の先には成長しかありません。

それができないのであれば、あなたは夢を言い訳にしているだけです。どれだけ続けても夢は夢のままでしょう。

僕自身も大きな夢があります。その夢に向かって常に行動しています。

自分の経験を通して言えることは、夢は「叶える」ものではなく「掴む」ものなのです。

僕自身は現在は音楽をやる機会は少なくなりましたが、この経験の中で僕の視野は大きく広がりました。そして、多くの人に出会い人生が変わりました。

アメリカに行く前の自分には、全く想像できない自分になっているのです。

英語が喋れて、飛行機に乗って海外に仕事に行ったり、今では国境を越えた友達がいます。国際結婚もしました。自分の会社を作り、好きな仕事をしています。まだ、成功者には程遠い生活ですが、とても幸せです。

あの時挑戦していなければ、今の自分はいなかったと断言できます。

結果的に夢を諦め、有名なミュージシャンになることはでなかったわけですが、僕は今の生活が幸せです。この人生の選択に間違いはなかったと自信を持って言えます。