日本では、1990年代から徐々に認知され始めてたキャリアカウンセラーという新しい職業。
聞いたことはあるけれども、具体的にどんな仕事をするのか分からない。
- そもそもキャリアカウンセラーという資格はあるの?
- キャリアコンサルタントとの違いは?
- キャリアカウンセラーになるにはどうしたら良いの?
このような疑問にお答えしていきます。
こちらの記事は、キャリアカウンセラーやキャリアコンサルタントに興味がある人、なりたい人にオススメの記事です。
キャリアカウンセラーとは
キャリアカウンセラーとは、個人のキャリア選択・キャリア形成について、相談や支援を行う専門家のことです。
その人の興味や関心、適正、能力やスキルによって、どのような職業を選択していくのがより良い人生を送れるのか、どのようにキャリアを積んでいけばより良い人生を送れるのかを、相談者と一緒に考えていくのがキャリアカウンセラーの仕事です。
キャリアカウンセラー誕生の背景
キャリアカウンセラーは、アメリカでは20世紀のはじめに基礎が築かれ、日本でもバブルが崩壊し、派遣社員・契約社員などの労働形態が変化してきた1990年代から徐々に注目され始めました。
理由は、バブルが崩壊し、企業が終身雇用を維持できなくなったからです。
他にも、働き方改革、AIの技術革新、人生100年時代など、キャリアや生き方についての考えさせれるニュースは飛び交っています。
現代は、労働環境の変化、技術革新などの時代の変化に伴い、働き方についても個々人が考えなければいけない時代になったと言えるでしょう。
そんな世の中のニーズに応えるかのようにキャリアカウンセラーという職業が認知されるようになってきました。
キャリアカウンセラーの資格
キャリアカウンセラーと呼ばれている資格は、今までは民間団体がそれぞれ作っていたため、明確な区別がありませんでした。
そのため、「キャリアカウンセラーです」と名乗ってしまえば誰でもキャリアカウンセラーになれてしまったとも言えます。
代表的な民間のキャリアカウンセラー資格は以下の2つです。
- CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
- GCDF-Japanキャリアカウンセラー
上記以外にも複数の民間資格が乱立してしまい、キャリアカウンセラーといっても能力に差が出始めてしまいました。
そこで、2008年に作られたのが国家検定「キャリア・コンサルティング技能検定」です。
後ほど詳しく説明しますが、その後2016年4月にキャリアコンサルタントという国家資格が新たに作られています。
キャリアカウンセラーの収入
キャリアカウンセラーの資格を取得したからといって、それだけで生きていける訳ではないのが現状です。
企業の人事担当者など社員のキャリア支援を行う部署で働いている人や、ハローワークなど公的な就職支援施設で働いている人が、自身のスキルアップのために取得しているといって良いでしょう。
ただ、AIの発展などで労働環境はますます変化していく時代です。
今後は、より一層キャリアについて考える仕事が求められていくのではないでしょうか。
キャリアコンサルタントとキャリアカウンセラーの違い
違いは、キャリアコンサルタントが国家資格なのに対して、キャリアカウンセラーは民間資格だということです。
キャリアコンサルタントの仕事内容や役割もキャリアカウンセラーと同じといって良いでしょう。
現在、キャリアカウンセラーはキャリアコンサルタント試験の受験資格の1つになっています。
今までに民間のキャリアカウンセラー資格を取得していた人は、その実績を活かしてキャリアコンサルタントを受験できるようになります。
ただし、これから勉強を始める人はキャリアコンサルタントを目指していく方が早くに資格取得が可能です。
キャリアコンサルタントの資格取得
キャリアコンサルタントの資格を取得するためには、厚生労働大臣が登録した試験機関が実施するキャリアコンサルタント試験に合格する必要があります。
なお、キャリアコンサルタントの資格は取得後も5年ごとに更新が必要です。
キャリアコンサルタントの受験資格
キャリアコンサルタントの受験資格は厚生労働省のHPに以下の記載があります。
キャリアコンサルタント試験は、次のいずれかの要件を満たした方が受験できます。
- 厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了した者(講習カリキュラムは別表に記載)
- 労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上のいずれかに関する相談に関し3年以上の経験(5を参照)を有する者
- 技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験又は実技試験に合格した者
- 上記の項目と同等以上の能力を有する者
厚生労働省HPより引用:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/career_consultant01.html
※厚生労働大臣が認定する講習と別表はこちらより確認ください。
つまり、民間の教育機関で通信・通学の授業を受けて受験資格を得るか、3年以上キャリアコンサルタントの実務を行なっているか、キャリアコンサルティングの技能検定に合格している必要があるということです。
それ以外については、個別ケースとなるので厚生労働省へ別途問い合わせることが必要になります。
これからキャリアコンサルタントを目指す人には民間の教育機関で通信・通学の授業を受けるのが現実的なのではないでしょうか。
キャリアコンサルタントの難易度
キャリアコンサルタント試験の難易度については、第11回の試験結果を参考にしました。
学科試験:受験者数が3,815人に対して合格者数は2,388人(合格率62,6%)
実技試験:受験者数が3,276人に対して合格者数は2,448人(合格率74,7%)
合格率だけを見てみると、受験者の半分以上が合格しているため、そこまで難易度は高くないと言えるでしょう。
試験ごとの平均点も確認していきましょう。
学科試験:平均点が71.1点(100点満点)で、70点以上が合格
実技試験:平均点が96.3点(150点満点)で、90点以上が合格
ちなみに、実技試験は点数の配分が、論述50点、面接100点となっています。
キャリアコンサルタント試験は学科、実技のどちらかが落ちてしまったとしても、次回の試験で落ちた方だけ受験することも可能です。
上記を踏まえると、現時点の難易度は決して高くないと言えるでしょう。
キャリアコンサルタント取得に関わる費用
キャリアコンサルタントの資格は受験に関わる費用は、学科試験8,900円、実技試験29,900円となっています。
ただし、実務経験などで受験資格を満たしていない人は、「厚生労働大臣が認定する講習」を指定する教育機関で受ける必要があります。
こちらの授業料はおよそ250,000円〜380,000円です。(詳しくは厚生労働省のHPをチェックしてみてください)
通学80時間、通信70時間ほどの授業時間も考慮すると時間面の受験難易度は決して低いとは言えなそうです。
ちなみに、金銭面については教育訓練給付制度を利用することで、授業料のうち最大で70%は給付を受けることが可能です。
300,000円の授業料を払ったとしても、210,000円は国から支給されると考えると実質負担は90,000円です。
このことを考えると、金銭面の負担についてはハードルが低くなるのではないでしょうか。
ただし、支給を受けるには雇用保険に3年以上入っているなど一定の要件があるため、厚生労働省のHPを事前に確認しましょう。
ハローワークでの事前手続きも必要なため要チェックです。
最後に
いかがでしたか?
キャリアについての専門家キャリアカウンセラー、キャリアコンサルタントについてご説明しました。
技術革新が起きるスピードがどんどん増している現在、労働環境の変化も大きくなってくるため、キャリアコンサルタントの活躍の場所は今後も広がってくるでしょう。
キャリアコンサルタントにも、キャリアについて就職という狭い視点だけではなく、「働くこととは何か」という広い視点を持つことが求められてきます。
仕事というよりは、生き方ですね。
今後は、キャリアコンサルタント自体が多様な生き方をしている必要が出てくるのではないでしょうか。
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