人生の転機になると、「自分とはいったい何者なのか?」と自分のやりたいことや価値観について考えるのが人間というもの。
ネットの発達により、個人が多様なキャリアの情報を得ることができるようになりました。また、技術の発達により、個人でもビジネスができる時代です。
キャリアの選択肢が増えるのは一見喜ばしいことですが、現代に生きる我々にとっては選択肢も増えたからこそ、自分の価値観をしっかりと持っていないとかえって迷ってしまう時代とも言えそうです。
今回は、自己分析やキャリアの棚卸しによく使用されるライフラインチャートのやり方についてご紹介します。
ワークシートのテンプレートもダウンロードできますので、ぜひ最後までご覧ください。
ライフラインチャートとは
ライフラインチャートとは、自分のこれまでの人生を幸福度という尺度で1本の曲線で表現したものです。
表の横軸は時間軸、縦軸は自分が感じている幸福度を表しています。
ライフラインチャートを作成することで、自分の人生でどのような基準で選択してきたか=自分の価値観を知ることができるようになります。
ワークシートのダウンロードはこちらからどうぞ。
ライフラインチャートの作り方
それでは、早速ライフラインチャートの作成手順についてご説明していきましょう。
準備
いきなりライフラインチャートを描き始めるのではなく、まずはあなたの人生について思い出しの作業を行います。
こちらは下のリンクからダウンロードできるテンプレートのワークシート1を使用してください。
具体的には、それぞれの年齢ごとに以下のような項目について振り返っていきます。
注意してほしいことは、出来事を思い出すだけでなく、「なぜ自分はこの出来事を転機だと思ったのか」「なぜ自分はこの人から影響を受けたのか」「なぜこの出来事を成功体験・失敗体験だと思ったのか」という「なぜ」の部分に着目することです。
理由は、「なぜ」の部分にあなたの行動原理や価値観が隠れているからです。
- 転機
- 影響を受けた人物
- 成功体験
- 失敗体験
転機とは、例えば「学校生活で1番印象に残っている出来事」など、それぞれの年齢を考えるとすぐに思い出されるような出来事です。
影響を受けた人物とは、例えば「部活の顧問の先生」など、それぞれの年齢でもっとも身近な人や尊敬していた人のことです。
成功体験には、注意が必要です。成功体験とは、1番になったとか賞を取ったということではありません。自分にとって満足感を得ることができるような出来事はすべて成功体験です。
自己分析は、誰かと優劣の競い合いをする作業ではなく、自分の選択基準を探していく作業です。
特別な体験を探そうとせずに、身近な経験であっても満足感を得ることができたかどうかで判断するようにしてください。
失敗体験とは、成功体験とは反対に満足感を得ることができなかった出来事です。ただし、成功体験と違い、自分にとって嫌な思い出というべきことがそのまま失敗体験となる人が多いと思います。
点を打つ
ここからはワークシート2を使用していきます。
ワークシート1で思い出した内容を元に、それぞれの出来事ごとに満足度が高かったのか、低かったのかを考えて、グラフに点を打っていってください。
横軸には、目安として年齢を書き込んでおきましょう。
キーワードを書く
点を打った場所に、出来事のキーワードを書いていきます。
丁寧に書いてもかまいませんが、自己分析は誰かに見せるものでもないため、自分が思い出せる内容のキーワードが書いてあれば問題ありません。
例えば、部活でレギュラーへ、志望校に落ちる、合唱コンクール頑張る、などです。
点を線でつなぐ
最後に、ライフラインチャートの点と点を線でつないでいきます。
上がり下がりのある曲線グラフが描けたのではないでしょうか?
ここまでできたら、ライフラインチャートを描く作業は終了となります。
次から、自分について理解を深める作業を行なっていきましょう。
ライフラインチャートのテンプレートはこちらからダウンロードできます。
ライフラインチャートの振り返り
ライフラインチャートを描き終わってホッと一息つきたいところなのではないでしょうか?
ここからは、自分について深堀りしていく作業です。ぜひ一度休憩を取ってから次のステップへ進んでください。
さあ、準備はよろしいでしょうか?
いよいよ深堀り作業に入っていきます。
曲線が上がっている時期
曲線が上がっている時期については、以下の2項目を考察していきます。
- なぜ満足していたのか
- どうして満足することができたのか
これらを考えることで、あなたの幸せの価値基準がわかります。
曲線が下がっている時期
曲線が下がっている時期については、以下の2項目を考察していきます。
- なぜ不満だったのか
- その状況をどうやって乗り越えられたのか
これらを考えることで、あなたが幸せでないときの行動パターン、および乗り越えるための行動パターンがわかります。
ここまで作業を行えば、自分自身でできるライフラインチャートを使用した自己分析は終了となります。
ここから先は、さらに自分についての理解を深めるための方法についてご紹介していきます。
もう一歩先へ進めために、その1「対話」
自分が考えている自分自身と、他の人から見えている自分自身に違いを感じたことはありませんか?
周りにいる人は、あなたとは違う人生を歩んできているため、価値観や物の見方が異なります。
つまり、あなたの身に起こった出来事について、違う視点や意味を与えてくれる存在ともいうことができます。
「三人寄れば文殊の知恵」とはよく言いますが、たくさんの人がいればいるほど多様な考え方やアイデアをもらえるのは本当にその通りです。
1人でライフラインチャートを作成して終わりにするのではなく、ぜひ出来上がったライフラインチャートを周りの人に話してみてください。
言葉に出しているうちに自分でも気づかなかった自分に気づいたり、他の人から新しい気づきをもらえたりと良いことがたくさんあります。
色々なところで、ライフラインチャートを使用したワークショップも開催されておりますので、ぜひ調べてみてくださいね。
もう一歩先へ進むために、そのえ「タイムカプセル」
ライフラインチャートは、時間軸でいえば過去から現在までを満足度で表現したものといえます。
自分の価値観を知るということは、これまでの人生で起こった出来事に対してなぜ自分はその選択肢を選んできたかということなので、現在までを振り返れば良かったのです。
ただ、自己分析をする目的を改めて考えてみると、この先の人生をどのような豊かにするかを考えたいから(具体的にいえば、良い人生を送るためにどんな会社へ転職するか、など)なのではないでしょうか?
このような問いに応えるべく、時間軸でいえば現在から未来までを考えるのがタイムカプセルというワークです。(タイムカプセルは自分の価値観を知るという今回の本筋とは離れるため、ここでは簡単な説明に留めておきます)
具体的には、今まで作成してきたA4サイズのライフラインチャートの下にA3の用紙を置き、自分が生きると考える年齢までライフラインチャートを伸ばしていきます。
手順としては以下の通りです。
- 自分が生きると考える年齢に、満足度120%の場所に点を打つ
- 点を打った場所から現在の年齢まで、グラフの曲線を描く
- グラフ上に点をいくつか打つ
- その点の年齢で実際に起こりそうな出来事を予想してキーワードを書く
ここまでできたら、自分が生きると考える年齢になった時を演じて、これまでの人生について実際に口に出してみましょう。
自分が考えるストーリーを思い描けるようになっているはずです。
今回は、話の本筋ではないため簡単な説明に留めておきますが、興味がある方はぜひお問い合わせをくださいね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、ライフラインチャートを使用した自己分析のやり方についてご説明しました。
ぜひワークシートのテンプレートをこちらからダウンロードして、実際に手を動かしてみてくださいね。
自己分析は手を動かしたり、人に話してみたりすることで、より深まっていきます。
「自分は何者か」を探していく時に、ワーク&対話を使うと思いがけない自分自身に気づいたりと新しい発見がたくさんあります。
このようなワーク&対話にご興味が出てきたら、ぜひ根本自己分析も見てみてくださいね。
http://style-puchi.sakura.ne.jp/kip/konpon/
僕と同じように「人生を失敗してしまった」と考える人を一人でも減らすべく、根本自己分析のセッションを行っています。 根本自己分析のセッションからうつ病からどのように立ち直るかまで、どうぞお気軽にお問い合わせください。
メンタルケアカウンセラーとして多くの人のお役に立てるよう活動しています。。
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