最近、カウンセリングから自己啓発のワークショップにまで、様々な場所で行われているアートセラピー。

  • かっこいい名前だけど、どんなことをするの?
  • アートセラピーをやるには資格がいるの?
  • アートセラピーを学ぶためには?
  • アートセラピーってそもそも何?

このような疑問に答えていくべく、アートセラピーについて解説していこうと思います。

 

こちらの記事は、アートセラピーに興味がある、アートセラピーを学び始めたいという人にオススメの記事です。

アートセラピー(絵画療法・芸術療法)とは

アートセラピーとは、クライエントが描いた絵によって心理状態を把握する心理療法の一種です。

心の病に対してだけではなく、悩みや自己成長の手法としても効果があり、ワークショップにも利用されています。

 

描いた人の心理状態や自覚をしていない内面が絵によって表に出てくることがあります。

アートセラピーを行う人(アートセラピストと言います)は、対話やワークを通してクライエントに気づきや新たな視点を見つけてもらうことが仕事です。

クライエントは絵や対話で表現することで、心の内面にあるモヤモヤとした感情を解消することもできます。

 

子どもは語彙力がまだ少なく、自分の心理状態を正確に表現するのが難しいため遊戯療法といった遊びに主眼をおいた心理療法を利用しています。

では、大人は自分の心理状態を正確に表現できているのでしょうか?

 

いいえ、そんなことはありません。

大人は自分を表現する語彙を持っているかもしれませんが、自分はそんな人間ではないと感情を抑えつけていたり、正直に話すのが恥ずかしくて無意識に嘘をついてしまうこともあります。

そもそも自覚していないことも考えられますん。

 

アートセラピーは自己の内面を表現することでクライエント自身が自分でも気づいていなかった自己に気づくキッカケとなるものです。

アートセラピー(絵画療法・芸術療法)の種類

アートセラピーは、絵画療法や芸術療法などといった似た表現がたくさんあります。

言葉が多くてややこしい理由は、精神療法と芸術の2つの分野から発展してきたという歴史があるからです。

 

芸術療法とは、絵・詩・音楽・演劇・エクササイズなどの様々な芸術分野を活用した心理療法の総称です。

芸術と言えるものを利用した心理療法すべてに当てはめることができる言葉ですね。

表現アートセラピーとも言われています。

 

  • アートセラピー(絵画療法)は芸術療法のうち”絵”を利用したもの
  • ミュージックセラピー(音楽療法)は芸術療法のうち”音楽”を利用したもの
  • ドラマセラピー(心理劇)は芸術療法のうち”演劇”を利用したもの

他にも、箱庭療法、舞踏療法、詩歌療法、造形療法、コラージュ療法といった芸術療法があります。

表現する”物”によって名称が変わるという認識をしてもらえれば、細かい違いは気にしないで大丈夫です。

アートセラピー(絵画療法・芸術療法)の効果

絵画療法の主な効果について挙げていきましょう。

  • 年齢に問わず、誰にでも容易に表現できる
  • カウンセリングだけでなく、自己成長にも利用できる
  • 保存可能で、振り返りや症状の変化をみることができる
  • 絵を通して、セラピストとクライエントの関係性作りができる
  • 表現することで、クライエントのストレスを軽減できる

カウンセラーが最も注意を払うのは、クライエントとの関係性です。

クライエントに安心感を持ってもらわないことには、カウンセリングを使用にも本音を導き出せません。

 

人は「悩みを話してください」と言われても、なかなか正直には話せないもの。

”絵”という題材があるだけでも、クライエントは話をしやすくなり、絵について言葉にするだけで心理的なストレスが軽減されます。

 

最近は、自己成長にも積極的に活用されています。

「自分はどんな人間か」を知るためには、自己の行動原理を探っていかなければいけません。

ただ、自己分析に慣れていない人に取っては題材もなしに進めていくのは難しいもの。

 

アートを使うことによって、自己を知ることを容易にしていくことができます。

アートセラピー(絵画療法・芸術療法)の資格

アートセラピストになるためには資格が必要なのでしょうか?

 

日本では、アートセラピストになるためには資格は必要ありません。

つまり、「アートセラピストです!」と名乗ってしまえば、誰でもアートセラピーをやることができてしまいます。

インターネットや通信教育で出てくる「アートセラピー養成講座」は、あくまで民間の団体が発行している認定証のようなものです。

 

ちなみに、ドイツの場合はアートセラピーの国家資格があり、アメリカやイギリスの場合は専門の大学や大学院で学ぶなどの高い専門性を要求されます。

通信教育で取得できるアートセラピー資格

通信教育で取得できるアートセラピーの資格は以下のとおりです。

資格を発行している団体によって、名称が異なるもののすべてアートセラピーに関する資格です。

  • オーロラ・アートセラピスト通信講座(株式会社オーロラ)
  • アートセラピー・メンタルケア・相談士(クエスト総合研究所)
  • 色彩芸術心理療法士養成講座(日本カラーアートセラピー協会)

通学で取得できるアートセラピー資格

通学によって取得できるアートセラピーの資格です。

  • チャイルドアートセラピー講座(ヒューマンアカデミー)
  • 臨床美術士養成講座(芸術造形研究所)

アートセラピー(絵画療法・芸術療法)の本

アートセラピーを学んでみたいという方に最初に手に取ってほしいオススメの本をご紹介していきます。

『はじめてのアートセラピー自分を知りたいあなたへ』

表現アートセラピスト(アトリエワイエス主宰)している吉田エリさんの著書。

写真や画像を多く使用しており、視覚的にもわかりやすい構成になっております。

絵だけではなく、文字・音・体を動かすなど表現に関わる様々なセラピーを紹介してくれています。

 

増補新版には、すぐに実践できるワークが加筆されています。

癒しと成長の表現アートセラピー

日本に表現アートセラピーを広めた小野京子さんによる著書。

アメリカで心理学を学んでいた時に表現アートセラピーに出会い、現在は大学の教授、NPO法人の理事、クリニックや病院でのワークショップと多岐に渡りご活躍されています。

 

芸術療法の全般について書いてありますが、文章表現は簡易で読みやすいものです。

エクササイズもイラスト付きで紹介されており、すぐに実践できる内容となっております。

アートセラピー(絵画療法・芸術療法)の教室

文章で見るよりも、実際に体験した方がアートセラピーについての理解が深まるもの。

ここからはアートセラピーを体験できる教室についてご紹介していきましょう。

芸術造形研究所

臨床美術という様々な芸術療法について、ワークショップを開催しています。

無料で簡単なアートセラピーを体験できるので、実際に作ってみたいという方にオススメです。

株式会社オーロラ

日本初のアートセラピー専門スクールとして活動しています。

オーロラ・アートセラピスト養成講座でアートセラピーの資格を取得できます。

無料説明会も実施されていることに加え、Emailでの簡易的な体験も可能です。

 

距離が遠くて足が運べない人にもオススメです。

色彩学校

色彩心理学者の末永蒼生さんが主宰している民間の専門学校です。

末永蒼生さんは1960年から実験的な美術活動と並行して、色彩心理について研究を行なっていた方。

著書に『「色彩セラピー」入門』(PHP文庫)『絵で伝える子どもの心とSOS』(講談社)があり、NHKに出演するなど課外活動も積極的に行なっています。

最後に

いかがでしたでしょうか?

 

今回は、アートセラピーについて詳しくご紹介していきました。

カウンセリングには様々な手法があり、目的や用途はそれぞれ違うのですが、人に寄り添いたいという想いは同じです。

 

実際に色々な心理療法を体験してみて、ご自分に合ったカウンセリング手法を探してみてください。

こちらでもカウンセリング手法についてご紹介していきます。